2024.12.20 (金)

スタートアップの開業に必要なこと9選!専門税理士が失敗しない開業について解説します。

   

次世代のビジネスモデルを創り出しているスタートアップは、成功事例を見ると多くの共通点があることが分かります。

スタートアップはハイリスクハイリターンだと言われますが、リスクを減らすためのポイントがあるのでしょうか。

本記事ではスタートアップの開業に必要なことを、スタートアップの経営者と企業の両面から9つのポイントを専門税理士が解説します。

スタートアップを開業するリーダーに求められるもの

スタートアップの開業では経営者に求められる資質・スキルが重要で、リーダーにこそスタートアップの成否がかかっています。

そこで「スタートアップの開業に必要なこと」を、開業するリーダーに関して考えてみましょう。

スタートアップのビジョンを明確化する

スタートアップを開業するときにリーダーが考えなければならないことは、ビジョンとミッションを明確化することです。

スタートアップにおけるビジョンは「起業の未来像」であり、ミッションは「起業の使命・存在意義」を意味します。

この2つはスタートアップが資金調達を行ううえで必要不可欠なもので、これを示せなければ投資家などは見向きもしません。

考えてみれば当たり前のことで、目的も行く末も明確ではないスタートアップへ誰がお金を出すでしょうか。

恐らく日本のスタートアップでは、最初から多額の資金調達を行い開業するケースは少なく、「キャッシュエンジン型起業」が多いと思われます。

スモールビジネスで自社の製品・サービスが市場とマッチしていると認識できたタイミングが、ビジョン・ミッションを明確化するベストなタイミングです。

最初に考えておくのも悪くないのですが、顧客ニーズとずれが生じやすく後で修正を迫られる可能性が高くなります。

苦難を乗り切る強いマインドを持つ

スタートアップは大きな成功を夢見て開業するものですが、最初から順風満帆に進むことはほとんどないといえます。

どのような起業家であっても陥る不調期を乗り切るためには、リーダーのマインドが大きく影響しがちです。

成功するリーダーのマインドには、以下のような共通項がみられます。

  1. どんな困難な状況でもやり抜く覚悟
  2. とにかく結果をどん欲に求める
  3. 利用できるものはとことん活用する

やり抜く覚悟が重要なのは当然として、結果を求めるという行動力は意外と大きなポイントです。

スタートアップは簡単に結果がでるものではなく、つい「すべて準備してから売ろう」といった状況になってしまいます。

例えばホームページ作成に時間を割いている状態は、事業がストップしているわけで、顧客に向き合うことを避けているようなものです。

また実績のないときだからこそ、友人だろうが同僚だろうが利用できるものは活用しまくる図々しさも必要なマインドです。

どんな状況でもめげず、どんどん売り込んでいき、図々しいほど全てを使い倒すリーダーが成功する可能性を高めるでしょう。

円滑なコミュニケーションと強いリーダーシップの両立

スタートアップのリーダーには、円滑なコミュニケーション能力は欠かせないスキルです。

コミュニケーションする相手はチームのスタッフだけではなく、顧客や投資家などあらゆる範囲に及びます。

スタートアップのビジョンやミッションを明確化させていたとしても、事業を進めるうえで微調整は避けられないことです。

そんなとき「分かってくれているはず」という考えは危険なことで、認識のずれを放置するほど大きなトラブルに直結します。

とくに複数人で起業するようなケースでは、それぞれが新しい社会を創り出そうとする強い想いから価値観がずれていく危険性をはらんでいます。

創業期は人的リソースも少ないことから多忙になり、コミュニケーションが後回しになりがちです。

しかしスタートアップはチームが成功のカギを握っているので、組織が壊れないための努力は怠らないようにしましょう。

また円滑なコミュニケーションを取りながら、ビジョン・ミッションを実現するための強いリーダーシップも必要です。 なにか相反することのようですが、人の意見を聞いてばかりいては当初のビジョン・ミッションが揺らいでしまいます。

高いプレゼンテーション能力

スタートアップは事業の開始、あるいは拡大局面において常に資金調達を行わなければなりません。

そこで重要になるのはリーダーのプレゼンテーション能力で、投資家や金融機関にスタートアップのビジネスプランや将来性を理解してもらうことが必要です。

このプレゼンテーション能力は、流暢に話すことができるだけでは相手の心に響かない可能性があります。

いくら緻密で説得力のありそうなプレゼンであっても、リーダーに対する信頼がなければそもそも真面目に話を聞いてもらえないでしょう。

またビジョン・ミッションに対するリーダーの情熱や、論理的であることも重要なポイントです。

「人は理屈により納得するが、感情により動く。」と言ったのは第37代アメリカ大統領リチャード・ニクソンですが、情熱が感情を動かし論理的プレゼンが相手を納得させます。 今では多くのビジネス書で同様のことが語られていて、プレゼンの基本といえるテクニックです。

スタートアップ企業に必要なことを知ろう

スタートアップのリーダーに必要なことに続き、企業に求められるポイントについて考えてみましょう。

一般的なイメージでは「スタートアップ=創業者」と不可分な面もありますが、企業という器に重きをおいて説明します。

スタートアップの核となるアイデア

スタートアップの定義は、経済産業省の資料によれば「ビジネスに斬新性があり、イノベーション、社会貢献を意識している」としています。

つまりスタートアップにあたって重要なポイントは、ビジネスアイデアにこそあり、それを実現させるための器がスタートアップ企業です。 このアイデアですが、誰もが考え付かなかったようなものでも以下の視点が抜けないように注意しましょう。

  • 消費者や市場の課題や問題点が解決できるのか
  • 事業化したときに適正な対価を得られるのか

スタートアップは事業として永続化することが最終目標なので、革新性だけでは長続きしない結果となります。

 

スタートアップを成功させるチーム作り

革新的なアイデアやビジネスプランがあったとしても、1人でスタートアップを開業・成功させることは不可能です。

スタートアップするにあたり必要なことの一つは、優秀なチーム作りと最大限能力を発揮させる環境作りだといえます。

またスタートアップでは、1人だけではなくパートナーを求めて事業を開始することも多く見られます。

複数パートナーとのスタートアップは諸刃の剣という要素もはらんでいるので、以下の点に注意して人選しましょう。

  • 自分とは違ったスキルを持っている
  • 誠実で信用できる
  • 諦めない覚悟を持っている

これらは最低限の要素なので、これに当てはまらないようでは手を組むべきではありません。

避けては通れない資金調達

スタートアップに資金調達は絶対的に必要なもので、アイデアやビジョン・ミッションと資金調達は成功のための両輪です。

基本的に外部からの資金調達になるので、先ほど説明したリーダーのプレゼンテーション能力や人柄が試されます。

もちろん投資家や金融機関だけが資金調達先ではなく、助成金や補助金の活用、クラウド・ファイナンスの利用なども検討しましょう。

起業後の成長戦略を考える

新規に創業する企業のなかでも、スタートアップ企業は「出口戦略(イグジット)を検討している」ものを指します。

ここでいう出口戦略とは短期間での利益回収を意味し、創業後一気に急成長して巨大な利益を回収するアメリカIT企業をイメージすれば分かりやすいでしょう。

それを実現するためには、起業後の成長戦略を明確にすることが必要です。

よく企業経営で「常に次の一手を考える」といいますが、スタートアップ企業では数手先まで考えなければなりません。

それはスタートアップの開業分野はイノベーションの変質・進化が早く、悠長に構えていては取り残されてしまうからです。 ビジョンがあれば、次に打つべき手は自然と理解できるはずなので、スピードアップする前に明確化しておきましょう。

外部の専門家を有効活用する

スタートアップの開業では人的リソース不足から、特に知財関係の業務に手が回らない状況が見られます。

また経理・財務などの業務も同様で、後々になって後悔することも少なくありません。

起業時から成長期に至る過程では、このような領域の業務は外部の専門家を有効活用することが成功への近道です。 このような業務を社内で行うのは、成長期に入ってからでも遅くはなく、当初は事業化に集中すべきでしょう。

まとめ

スタートアップの開業で必要なことを、経営者と企業の両面から解説してきました。

やるべきことが多いのですが、それらは別々のものではなく全てが密接に関係性を有しています。

創業慣れしている経営者であれば直感的に理解できることも、新規のスタートアップであれば慣れないことだらけなのは仕方のないことです。

少しでもリスクを減らすためにも、動きだす前に専門家へ相談することをオススメします。

きっと良いヒントが得られるはずです。

税務調査に関して不明な点があれば、弊所までお気軽にお尋ねください。

 

TEL:0586-48-5507 

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コラムの内容は、国税庁等の公式見解を示すものではありません。詳細は顧問税理士にご相談ください。当コラムの活用において生じた損害の一切の責任は負いかねます。

記事の著者

スタートアップサポート税理士法人代表者。
総合病院の勤務医のような存在よりも、個々の企業にとってのホームドクターのような存在でありたいと考えております。
日々の細かい会計処理のことから資金繰りや雇用、助成金、企業経営者にとって何でも気軽に相談できる良きパートナーとして専門的知識を生かしていきたい所存です。