2025.04.28 (月)

【税理士が語る】スタートアップに税理士が必須な3つの理由と費用・タイミング徹底解説!

   

スタートアップを考えている方は、税理士のサポートが必要なものだと理解していても、具体的な依頼内容やタイミング、そして費用面についてお悩みではないでしょうか。

結論として、スタートアップが成功するためには、税務面を中心とした税理士のサポートが極めて重要です。設立時からの伴走支援が、成長スピードと資金繰りの安定に直結します。本記事では、スタートアップが考えるべき税理士からのサポートについて、費用相場や依頼時期を含めて詳しく解説します。

スタートアップに税理士をオススメする3つの理由

スタートアップが税理士のサポートを受けるメリットは、順調に売上が上がりさらなる成長が見込まれる企業ほど大きいものがあります。

まずはスタートアップに税理士をオススメする3つの理由について、それぞれ詳しく考えてみることにしましょう。

スタートアップの本業に集中できる

スタートアップが創業間もない時期というのは、経営リソースのほとんどを少しでも早い黒字化へ向けて投入したいものです。

その一方で経理・税務業務は、高い専門性を求められるうえ煩雑な作業に時間をとられてしまいます。

このような業務を税理士に任せることで、経営者や社員が本業に集中することができ、商品・サービスの開発や営業活動に注力できます

もちろん税理士のサポートには費用が掛かりますが、それを上回る売上に結び付けるための必要コストだと考えるべきでしょう。

節税対策で無駄な支出を減らせる

税理士のサポートを受けることで合法的な節税対策をすることができ、結果的に無駄な支出を減らすことができます

税理士は税金のプロであり、財務上の無駄なコストを洗い出す専門家でもあるので、資金繰りの安定のために力強い存在です。

スタートアップは、軌道に乗るまでのあいだは資金的な余裕がないケースが多いので、税金を含めた無駄な支出は極力抑えるべきでしょう。 税理士のサポートを受けることで、無駄な支出を減らせるだけではなく、ネット上の怪しい節税情報などに惑わされなくなります。

税理士から資金調達のサポートを受けられる

スタートアップが税理士へ業務を依頼するメリットの一つに、円滑な資金調達のサポートを受けられる点が挙げられます

スタートアップの資金調達にはいくつかの方法がありますが、金融機関からの融資や国・地方自治体からの補助金・助成金の申請などで、税理士は心強い存在です。

具体的には、融資や補助金・助成金の申請に必ず必要になってくる事業計画書の作成について、企業ごとに最適なサポートを受けられます。 税理士に依頼することで、信頼性と説得性の高い事業計画書を作成することができ、それが円滑な資金調達へ直結するでしょう。

スタートアップが税理士へ依頼できる業務と費用相場書の関係

スタートアップが税理士へ依頼できる業務というのは、実はとても幅広い範囲に及びます。

どの領域の業務を税理士に依頼すべきか考えるために、主な業務をピックアップして依頼したときのメリットについて見ていきましょう。

法人設立の手続きや各種届出

スタートアップにあたって法人の設立(あるいは個人事業主としての開業)や、それに伴う各種届出は、煩雑で面倒な作業になります。

法人設立後、主だった手続きだけでも以下のようなものがあり、全てを自分で行うのは現実的ではありません。

  • 税務署へ会社設立・税務関係の届出(インボイスを含む)
  • 都道府県・市区町村へ法人住民税・法人事業税の届出
  • 年金事務所へ健康保険・厚生年金の加入手続き
  • 労働基準監督署へ労働保険の届出
  • ハローワークへ雇用保険の届出

これらの届出・提出先へは、さらに複数種類の届出が必要になるので、これらの作業を税理士に依頼することで大幅に作業時間を減らすことが可能です。

経理業務のアウトソーシング

スタートアップが事業活動を進めていくと、そのすべてを仕訳として記録していくことが求められます。

これら日々の経理業務を税理士に依頼することもでき、経理スタッフを置くあるいはその業務にリソースを割かれることを防ぐことが可能です。

一般的に「記帳代行」といわれるものですが、スタートアップの最初期であれば検討しても良いでしょう。

ただ、これらの経理業務はいずれ自力で遂行しなければならないものなので、それまでの一時的なアウトソーシングだと考えておくべきです。

税務書類の作成・提出

日々の経理業務までは自社で行えたとしても、決算書や税務申告書の作成は高い専門知識を求められることから、これらは税理士に依頼することがオススメです。

決算にあたって税理士が記帳・申告内容をチェックすることで、税務調査で追徴課税を受けるリスクを減らすこともできます。

もちろん正確な申告書類を作成してもらうだけではなく、節税などのアドバイスも受けられます。

一般的な税理士との顧問契約は、決算書を含む申告書類の作成と定期的な監査業務が主な依頼内容です。

 

財務調査への立ち合い

税理士へ業務を依頼することで、税務調査があった場合に立ち会ってもらうことができます。

税務調査官は言葉巧みに怪しい部分を聞き出そうとしたり、なかには強引な調査をしたりする場合があり、税理士が立ち会ってくれることでその抑止力となるでしょう。

また税務調査の事前連絡があった場合に、調査に向けた事前準備からサポートを受けられます。

スタートアップのコンサルティング

スタートアップに強い税理士であれば、創業時から経営コンサルティングを受けることもできます。

税理士は税金のプロであると同時に、数多くの企業経営を見つめてきた経験と知識を持っていて、最近はコンサルティングに力を入れている税理士も増えています。

経営相談にも乗ってくれる税理士であれば、心強いパートナーといえる存在です。

税理士へ依頼する費用相場

スタートアップが税理士へ業務を依頼するには、大きく分けて2つの依頼方法があります。

一つは毎月報酬を支払いサポートしてもらう「顧問契約」と、もう一つは必要なときに必要な業務だけを依頼する「スポット契約」です。

ある程度の売上規模があり(あるいは見込まれる)、踏み込んだアドバイスやサポートを求めるなら顧問契約を選択すべきでしょう。

顧問契約を結ぶことで、自社の状況を正確に把握してもらえ正確な助言を受けられるのも顧問契約のメリットです。

顧問契約の費用相場は、売上規模1億円以内であれば以下の範囲となります。

依頼内容費用相場
顧問契約(毎月訪問)3~6万円
記帳代行1~3万円
決算申告手数料月額顧問料の4~6ヶ月分

この金額は目安であって、具体的には年間売上、訪問頻度、業務内容などにより変わってきます。

また、地域によっても費用相場に違いがあるので、いくつかの税理士事務所を比較検討することがオススメです。

スタートアップが税理士に依頼すべきタイミングとは?

スタートアップが税理士へ依頼するメリットや業務内容、それに費用相場は理解できたと思います。

そのうえでもう一つポイントになるのが、どのタイミングで税理士に業務を依頼するかです。

ここでは、スタートアップが税理士へ依頼すべきタイミングについて考えてみましょう。

創業時から売上が見込めるなら最初から依頼

スタートアップが創業時から売上を見込める、あるいは確固たる体制を作り上げて創業に臨みたいなら、最初から税理士と顧問契約を結ぶべきでしょう

創業前から税理士に相談することで、法人の形態や事業計画書の作成など幅広い領域のアドバイスを受けられます。

このタイミングで税理士に依頼することで、自社の事情を深く理解してもらえるので、経理面や資金調達面でスムーズなサポートを受けられるでしょう。

立ち上げに時間がかかるなら1~2年後

スタートアップが事業の立ち上げに時間がかかる、あるいは資金面に余裕がないのであれば、1~2年の間は決算業務だけのスポット契約にしておき、その後に顧問契約を結ぶことも考えられます。

タイミングとしては売上高が1,000万円を超えたら検討すべきで、それはインボイスを含めた消費税対策も必要になるからです。

会社規模が大きくなるにつれ経理・税務業務も煩雑になるので、会社の成長に合わせて上手く税理士を活用しましょう。

いずれ自社でオフィス業務を

スタートアップの創業時には自社で手が回らなかった経理業務なども、いずれは自社で手掛けなければならないタイミングがやってきます。

税理士へ依頼する会計業務は、申告書を作成することや課税所得を計算することに主眼を置いた「税務会計」が中心です。

会社規模が大きくなりさらなる成長をするためには、財産や利益を正しく計算するための「財務会計」や、経営管理に役立つ情報の提供を目的とした「管理会計」が必要になってきます。

こうした自社の経理体制構築のためにも、状況をよく知っている顧問税理士がいれば適切な助言を受けることができるでしょう。

 

まとめ

スタートアップこそ税理士が必要な理由や、受けられるメリットについて解説してきました。

とくに経営資源が限られているスタートアップこそ、より積極的に税理士を活用すべきであり、コストを上回るメリットがあることを理解できたと思います。

スタートアップの円滑な創業のためにも、ぜひ税理士の活用を検討しましょう。

税務調査に関して不明な点があれば、弊所までお気軽にお尋ねください。

 

TEL:0586-48-5507 

FAX:0586-64-6644 

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コラムの内容は、国税庁等の公式見解を示すものではありません。詳細は顧問税理士にご相談ください。当コラムの活用において生じた損害の一切の責任は負いかねます。

記事の著者

スタートアップサポート税理士法人代表者。
総合病院の勤務医のような存在よりも、個々の企業にとってのホームドクターのような存在でありたいと考えております。
日々の細かい会計処理のことから資金繰りや雇用、助成金、企業経営者にとって何でも気軽に相談できる良きパートナーとして専門的知識を生かしていきたい所存です。